蔚州川前里刻石(울주 천전리 각석)

登録 : 2012-12-12 22:49 アップデート : 2025-08-28 09:55
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蔚州川前里刻石(울주 천전리 각석)

川前里(チョンジョンリ)の銘文と岩刻画は太和江支流である大谷川中流の岸に位置する、各種図形・文字・絵が刻まれた岩石で、上下2段に分けて互いに異なる内容が異なる技法で表現されており、びっしりと全体的に彫刻がみられます。上段にはやや深く太めの線を刻む技法で幾何学模様や動物、抽象化された人物などが彫刻されています。写実性に欠ける単純化されたものですが、中央部の太陽を象徴するような円を中心に、両側に4頭のシカが走る姿と一番左の半人半獣像(頭は人、体は動物)が目につきます。表現は素朴ながらも象徴性を持っているようなこれらの絵は青銅器時代に製作されたものとみられています。下段は細い線で刻んだ絵と文字が入り混じっており、騎馬行列図、動物、龍、船を描いた絵など多様な内容で構成されています。このうち騎馬行列図は3ヶ所で見られ、シンプルな点と線だけでその姿がよく表現されています。船の絵は当時の新羅人の海上活動をうかがう重要な資料になります。文字は800字を超え、王と王妃がここを訪れたことを記念する内容で、法興王の時代に2回にわたって刻まれたものと考えられています。この内容のなかには官職名や6部体制に関した言及が含まれ、6世紀頃の新羅社会研究の貴重な資料となっています。長い時間をかけて多くの人々が成し遂げた作品で、先史時代から新羅時代までの生活や思想などが描かれています。特定の時代を代表するというより、さまざまな時代の姿が盛り込まれていることから、より意味のある遺跡といえます。
2025年7月12日、「蔚州大谷里(テチョンリ)の盤亀台岩刻画」と「蔚州川前里の銘文と岩刻画」をあわせた区間約3㎞の「盤亀川の岩刻画」はユネスコ世界遺産に登録されました。

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